ブログ

【第18話】 DVが子どもに及ぼす影響

・・・地球いっぱい子どもたちの笑顔 児童虐待ゼロ運動~ひまわりプロジェクト~・・・

 

(1)胎児への影響

DVの行為そのものやこれに起因するストレスや不規則な生活などが妊産婦はむろんのこと胎児にまで有害な影響を

及ぼすことが報告されています。

友田尋子氏は母親と胎児の振動と呼吸の動きを測定したところ、妊婦が夫から付きまとわれている場合、胎児は母親と

全く同時に動揺していたことが分かったと述べ、これは体内が胎児にとって安全を脅かされる環境になっている事を

述べています。さらに友田氏は同じ論文の中でDVの被害者では体重増加不良や性感染症、異常出血、鄭出生体重児

胎児発達遅延、新生児死亡率などの発生確率がそうでない妊産婦より有意に高いというアメリカで行われた調査結果を

紹介しています。

 

(2)子どもへの影響

東京都は2003年、都内の配偶者暴力相談支援センターが扱った180件の相談内容に関する調査を実施しました。

その中で子どもに対する直接的な暴力があった場合の子どもへの影響と、子どもに対する直接的な暴力がなかった場合の

子どもへの影響影響について分析していますが、子どもに対する直接の暴力がなかった場合でも、

「加害者への憎悪・恐れ」や「性格・情緒のゆがみ」などの影響を指摘しています。

また東京都は2003年、DVの被害者33人を対象に面接調査を実施していますが、

そのうち子どものいる母親28人についてDVの子どもへの影響を聞いています。

子どもへの直接の暴力があったと回答した母親20人(71%)、なかったと回答した母親7人(25%)、

不明1人(4%)と極めて多くの子どもが直接暴力を受けていました。

具体的な暴力の内容は

○長男が口答えしたといって、顔を平手でたたいた。長男の目が真っ赤になり眼科へ行った所、

もう少しで失明するところでしたよと言われた。(3歳)

○長女を殴って風呂に閉じ込める、雪の降っている日に外へ追い出す、外泊したり帰宅が遅いと

玄関の鍵を閉める。(14歳の頃)

○子供全員に対して、頭をたたく、蹴飛ばす、ライターの火を付ける、物をぶつける、

子どもたちの物を目の前で壊す・捨てる。(年齢不明)

○持ち上げて床にたたきつけた。(6歳)

○子どもの朝食の時間に説教が始まる。「お前みたいな奴は二度と帰ってくるな、死んじまえ」と言われ続け、

学校に行っていた。(7~8歳の頃)

○「どうせお母さんの子だから将来見えている」と言う。(6~7歳)

○被害者の作った食事について「そんなゴミみたいなもの、よく食う」。(8歳と12歳)

東京都生活文化局(2004)『配偶者暴力被害体験者面接調査結果報告書』

 

そして、子どもあいる28事例の大半で子どもへの影響が表れているとし影響の具体的な例をまとめています。

<直接の暴力あり>

○情緒が不安定になり、癇癪を起こしてめちゃくちゃに荒れた。保育園ではわざと意地悪する。(2~3歳の頃)

○5~6歳の頃登園拒否。小学校の頃、椅子で頭を何度もたたく。自分が嫌いで手にアザができるまでたたき続ける。

○黒い絵を描く。「殺」、「死」という文字以外書かなくなる。(8歳)

○萎縮している。他人と口をきかない。中学の先生に「関わりを持てない子」と言われた。(14歳)

○長女が包丁を持ち出して、妹、弟を脅す。(年齢不明)

<直接の暴力なし>

○凍りついたような表情。無表情。(5~6歳の頃)

○父親に追いかけられる夢を見る。外出をしたがらない。(9歳)

○「死ね」と言う言葉づかいをしたり、不必要に叩いてきたりする。「生きていたって仕方がない」などの発言。(7歳)

東京都生活文化局前掲報告書

 

 

<明石書店 図表でわかる子ども虐待 保育・教育・養育の現場で活かすために 才村 純>より

 

 

 


ページトップへ戻る
Copyright (C) THE SOCIETY OF CHILD SAFETY NET. All Rights Reserved.