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【第17話】 ドメスティック・バイオレンス(DV)と虐待

・・・地球いっぱいの子どもたちの笑顔 児童虐待ゼロ運動~ひまわりプロジェクト~・・・

 

ドメスティック・バイオレンス(DV)と子ども虐待

2005年、内閣府が行った調査によれば、女性の27%がDVの身体的暴力を体験しており、うち22%が「何度もあった」と答えています。

また、精神的な嫌がらせや恐怖を感じるような脅迫を受けた女性は16%、うち「何度もあった」が33%に上っています。

DVに関係した子ども虐待は3つのタイプに分けることができます。

1.DV加害者である父親が被害者である母親のみならず子どもにも直接、暴力を振るうケース。

2.DVの被害者である母親が、そのストレスや無気力などから子どもを虐待するケース。

3.親が子どもに直接暴力などを振るうことはないが、DVを子どもの眼前で行うことにより、心理的ダメージを与えるもの。

 

(1)DV加害者による子どもへの直接的虐待

東京都の調査では、妻に暴力を振るう夫の64%が子どもにも暴力を振るっていることが明らかになっています。

自分より弱者である妻や子どもに暴力を振るうことによってストレスを発散している事も考えられますが、

妻への心理的暴力の方法として、妻にとってかけがえのない存在である子どもをこ攻撃対象とすることで

妻を支配し、子どもを意のままにする心理機制が働いている場合が多いことを友田尋子氏は指摘している。

(2)DV被害者による子どもへの直接的虐待

夫からの虐待などによりストレスを募らせた妻が、子どもを虐待することによって

精神的バランスを取ろうとする場合もあります。

友田尋子氏らの調査ではDV被害の経験者で、子どもへの虐待経験があると回答した人は78%に上っています。

また、DVにより絶対的な支配・服従関係が形成されているなかで、無力感や恐怖感から夫の命令のままに子供への

虐待に加担する場合や、無力感や過酷な体験に起因する心身の不調などによって、結果的に子どもの世話が十分に

できなくなるなど子どもをネグレクトしてしまう場合もあります。

本来なら自分をかばってくれるはずの母親から虐待を受けたり、十分な世話をしてもらえないことは、

DVを目撃することに伴う心理的外傷とともに母親への恨みとなって、生涯子どもを苦しめることにもなります。

(3)DVを子どもの眼前で行うことによる心理的虐待

母親が父親から罵声とともに激しい暴力を受けるのを日常的に目にすることは、子どもにとって耐え難い苦痛であり、

子どもの発達にとって甚大な悪影響を及ぼすことは想像に難しくありません。

先に述べた内閣府の調査では、これまで配偶者から何らかの被害を受けた人に対して、

子どもがそれを目撃していたかどうか、子どもへの影響はどうであったかを尋ねています。

その結果、3人に1人の子どもがDVを知っていたこと、そのうち7割近くの人たちが子どもの心身に影響が及んでいると

答えていることがわかりました。

このようにDVを目の当たりにすることは子どもの心理的な発達に極めて深刻な影響を及ぼします。

このため2004年の児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)の改正により子どもの眼前で行われるDVが

心理的虐待に当たる旨の定義が盛り込まれました。

DVでは配偶者のみならず子どもにも被害が及んでいる場合が少なくありません。

従ってDVが起きている家庭にかかわる場合は子どもへの虐待が潜んでいないか留意する必要があります。

 

<明石書店 図表でわかる子ども虐待 保育・教育・養育の現場で活かすために 才村 純>より

 

 

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